プロローグ
広島の叔父が遊びにこないかと誘ってくれたのを幸いに、初の泊りがけ単独ツーリングを決意する。
5月に新車で買ったXJ400SPLも、いろいろあって夏にはどこにも行けず、ライダーと同様、
初の長距離走行。広島までのルートは、最近とくにあこがれている「放浪」「孤独」と、確か松本清張の
小説だったと思うが、「山陰の陰鬱な冬の海、鉛色の空」というものが見たくて山陰をまわることに決め、
本州最西端の下関まで行くつもりで計画を立てる。冬の寒さを考え、カウリングをつけ、革の上下に、
中はインナースーツを着込み、入念に愛車を整備して出発。
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11月20日
京都―温泉町―浜坂―美保関
走行341Km
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朝6:55、誰にも見送られず下宿を出発。孤独な旅のはじまり。堀川通りを下がり、
五条で右折、R9をひたすら西へ。温泉町でR9を離れて浜坂へ。
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温泉町のGSにて。こう見るとカウリングも結構いい。
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浜坂町の海岸にて。久しぶりの海に感激。
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海岸にあった句碑。
後で調べたら、歌人は前田純孝。NHKのテレビドラマ「夢千代日記」にも登場した。
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浜坂の海岸でひとり波と戯れる。
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浜坂漁港。
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鳥取砂丘にて。SRとピースをかわす。ツーリングライダーもほとんど見かけないから、
これが今日はじめて。
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北条町あたりから雨がパラつくが、カウリングがあるので濡れない。米子でR9から県道を境港へ。
境水道橋を渡り美保関で喫茶店に入ると雨が激しく降り出す。外海の見える民宿を探してもらうが、
満員だったりして、結局隣の民宿にする。民宿で傘を借りてあたりをうろつく。目当てにしていた
日本海の陰鬱な景色は期待どおり。部屋も古風な八畳間で山陰にふさわしい。風呂に入り、新鮮な魚の刺し身を
つまみにビール飲んで寝る。
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美保関の喫茶店の前で。バックは漁港。
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漁船が沖へ出て行く。バックは境水道橋。
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11月21日
美保関―枕木山―松江―出雲大社―広島
走行291Km
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美保関の民宿のまつ屋の前で。出発前。
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関の五本松。
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雲間から日がさして海が輝いて見える。
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松江城の堀にて
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松江の武家屋敷
小泉八雲記念館にも行った。
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宍道湖北岸の道
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出雲大社
不細工なネーチャンが2人タクシーから降りてきたのを見て、
思わず吹き出してしまった。流石、縁結びで有名なところだ。
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出雲名物、割子そばを食べる。
XS250SPLのライダーと会った。
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出雲から三次を通って広島へ。途中、標識が少なく道に迷い、広島の叔父の家に着いたのは8時前となった。
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11月23日
広島―岩国―津和野―萩
走行213Km
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錦帯橋
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雨のR187。谷あいの道
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津和野
若い女性とカップルがほとんど。カッパきてヘルメットかぶったまま、歩き回る。
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津和野町内で、これから福岡まで帰るというRZ250の二人組みと会う。
萩まで一緒に走り、東萩駅前で飯を食べる。陽気な二人だ。しばしのバイク談義の後別れる。
駅前の案内所で見つけた民宿へ。雨の中を傘さして歩いて城下町見物。
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福岡のRZ2人組みと
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雨の萩の城下町
古い家並が多く、白い壁と夏みかんの木がうまく調和していた。小雨の夕暮れは旅情満点だった。
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萩からブルーラインR191で下関へ。天気もよく気分も最高。
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安徳天皇を祀るという赤間神宮
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R2から関門橋
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火の山 山頂にて
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壇ノ浦を望む
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関門海峡。春にはむこうの九州へ・・・
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火の山を下り、中国縦貫道へ。寒い中、ひたすら走る。危うくネズミ捕りに捕まりそうになったがセーフ。
ドキドキした。鹿野ICで降りてR315で徳山方面へ。標識が少なく、迷いそうになりながらも、
R376、R2と走る。大竹あたりで山口ナンバーのRSZと言葉を交わしながら走る。広島まで行くとのことで
ちょうどよい道連れ。宮島で競艇の渋滞。RSZのあとについてすり抜けるが、カウリングつきなのでしんどかった。
5:20、叔父宅着。疲れてコタツで転寝してしまった。
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中国縦貫、名神と高速を乗り継いでひたすら京都まで。島根の田舎から京都に戻るというホークIIと会う。
寒さで腰と胸に神経痛が。根性で京都南ICまで。料金は4700円(高いなあ〜)。4:55無事に下宿着。
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中国縦貫、帝釈峡SAにて
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エピローグ
はじめての泊りがけソロツーリングで最初ちょっと不安もあったが、他人のペースを気にする必要もないので
楽だった。天候にも恵まれ、それほど寒くもなく、本当の意味での旅ができたと思う。
冬はしっかりバイトして、春には九州一周したい。
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