中国地方ツーリング

1981年11月20日〜11月25日

プロローグ

広島の叔父が遊びにこないかと誘ってくれたのを幸いに、初の泊りがけ単独ツーリングを決意する。 5月に新車で買ったXJ400SPLも、いろいろあって夏にはどこにも行けず、ライダーと同様、 初の長距離走行。広島までのルートは、最近とくにあこがれている「放浪」「孤独」と、確か松本清張の 小説だったと思うが、「山陰の陰鬱な冬の海、鉛色の空」というものが見たくて山陰をまわることに決め、 本州最西端の下関まで行くつもりで計画を立てる。冬の寒さを考え、カウリングをつけ、革の上下に、 中はインナースーツを着込み、入念に愛車を整備して出発。

11月20日

京都―温泉町―浜坂―美保関
走行341Km
朝6:55、誰にも見送られず下宿を出発。孤独な旅のはじまり。堀川通りを下がり、 五条で右折、R9をひたすら西へ。温泉町でR9を離れて浜坂へ。

温泉町のGSにて。こう見るとカウリングも結構いい。

浜坂町の海岸にて。久しぶりの海に感激。

海岸にあった句碑。
後で調べたら、歌人は前田純孝。NHKのテレビドラマ「夢千代日記」にも登場した。

浜坂の海岸でひとり波と戯れる。

浜坂漁港。

鳥取砂丘にて。SRとピースをかわす。ツーリングライダーもほとんど見かけないから、 これが今日はじめて。
北条町あたりから雨がパラつくが、カウリングがあるので濡れない。米子でR9から県道を境港へ。 境水道橋を渡り美保関で喫茶店に入ると雨が激しく降り出す。外海の見える民宿を探してもらうが、 満員だったりして、結局隣の民宿にする。民宿で傘を借りてあたりをうろつく。目当てにしていた 日本海の陰鬱な景色は期待どおり。部屋も古風な八畳間で山陰にふさわしい。風呂に入り、新鮮な魚の刺し身を つまみにビール飲んで寝る。

美保関の喫茶店の前で。バックは漁港。


漁船が沖へ出て行く。バックは境水道橋。

11月21日

美保関―枕木山―松江―出雲大社―広島
走行291Km

美保関の民宿のまつ屋の前で。出発前。

関の五本松。

雲間から日がさして海が輝いて見える。

美保関灯台

枕木山
松江城の堀にて

松江の武家屋敷
小泉八雲記念館にも行った。
宍道湖北岸の道
出雲大社
不細工なネーチャンが2人タクシーから降りてきたのを見て、 思わず吹き出してしまった。流石、縁結びで有名なところだ。

出雲名物、割子そばを食べる。
XS250SPLのライダーと会った。
出雲から三次を通って広島へ。途中、標識が少なく道に迷い、広島の叔父の家に着いたのは8時前となった。

11月22日

広島
走行0Km
叔父夫婦と車で浜田市までドライブ。

11月23日

広島―岩国―津和野―萩
走行213Km
雨の中、広島の叔父宅を出発。岩国で錦帯橋にいく。

錦帯橋
雨のR187。谷あいの道

津和野
若い女性とカップルがほとんど。カッパきてヘルメットかぶったまま、歩き回る。
津和野町内で、これから福岡まで帰るというRZ250の二人組みと会う。 萩まで一緒に走り、東萩駅前で飯を食べる。陽気な二人だ。しばしのバイク談義の後別れる。
駅前の案内所で見つけた民宿へ。雨の中を傘さして歩いて城下町見物。
福岡のRZ2人組みと

雨の萩の城下町
古い家並が多く、白い壁と夏みかんの木がうまく調和していた。小雨の夕暮れは旅情満点だった。

11月24日

萩―下関―広島
走行353Km

早朝の萩
萩からブルーラインR191で下関へ。天気もよく気分も最高。
安徳天皇を祀るという赤間神宮
R2から関門橋
火の山 山頂にて
壇ノ浦を望む
関門海峡。春にはむこうの九州へ・・・
火の山を下り、中国縦貫道へ。寒い中、ひたすら走る。危うくネズミ捕りに捕まりそうになったがセーフ。 ドキドキした。鹿野ICで降りてR315で徳山方面へ。標識が少なく、迷いそうになりながらも、 R376、R2と走る。大竹あたりで山口ナンバーのRSZと言葉を交わしながら走る。広島まで行くとのことで ちょうどよい道連れ。宮島で競艇の渋滞。RSZのあとについてすり抜けるが、カウリングつきなのでしんどかった。 5:20、叔父宅着。疲れてコタツで転寝してしまった。

11月25日

広島―京都
走行413Km
中国縦貫、名神と高速を乗り継いでひたすら京都まで。島根の田舎から京都に戻るというホークIIと会う。 寒さで腰と胸に神経痛が。根性で京都南ICまで。料金は4700円(高いなあ〜)。4:55無事に下宿着。
中国縦貫、帝釈峡SAにて

エピローグ

はじめての泊りがけソロツーリングで最初ちょっと不安もあったが、他人のペースを気にする必要もないので 楽だった。天候にも恵まれ、それほど寒くもなく、本当の意味での旅ができたと思う。 冬はしっかりバイトして、春には九州一周したい。




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